苦悩のデビューを乗り越えた名監督 生まれから現在までデヴィッド・フィンチャーの軌跡を辿る

監督紹介

「セブン」「ソーシャルネットワーク」「ゴーン・ガール 」などなどダークなストーリーから社会派ドラマまで、多彩なジャンルでヒット作を連発させるデヴィッド・フィンチャー監督。幼少期から映画業界で生きていくことを決めてから、待ち受けていたのは苦悩のデビュー作。今回、苦悩を乗り越え、一流映画監督まで上り詰めたフィンチャーのルーツをたどる。

 

生まれた時から映画監督を志す

雑誌「ライフ」の記者であった父親と精神医療看護師として働いていた母親のもとで生まれ、米国カリフォルニア州、オレゴン州で育った。持病のオッドアイかつ左目の視力が弱く、左右の目の色が異なっている。そんなフィンチャーは幼少期から映画に夢中で、7歳のときに見た「2001年宇宙の旅」が最初の映画の記憶、そしてスピルバーグ監督の「1941」は200回視聴したという。高校時代に演劇監督を務め、二番興行映画館の映写係として働き、地元のテレビニュース放送局のプロダクション部門でパートタイムのシフトに加わった。18歳の時に8mmカメラと出会い、映画制作に没頭。そんな彼の就職先はジョージ・ルーカスが立ち上げたインダストリアル・ライト&マジック(ILM)。アニメーターとして働き始め、24歳には独立し、制作プロダクション・プロパガンダフィルムを設立した。映画業界で生きることを決めたフィンチャーだったが、朗報が舞い降りてきたのは27歳の時だった。。。

トラウマとなった「エイリアン3」


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順風満帆な人生をおくる27歳のフィンチャーに届いてきたのが、「エイリアン3」の監督オファーだった。1作目にはリドリー・スコット、2作目にはジェームズ・キャメロンという本当に名だたる監督が揃う中、その制作は一筋縄ではいかなかった。脚本の修正、スタッフとのトラブルが相次いぎ、製作の主導権をめぐって20 世紀フォックスと連日口論が繰り広げられた。主演のシガニー・ウィーバーは、「監督は毎晩遅くにフォックスに電話をかけて、翌日の撮影は行われて然るべきだと説得しなきゃならなかった」と語る。当時周囲のスタッフは年上ばかりで、フィンチャーは周りを動かすことができず、ビジョンを見失ったのだ。結果、興行的にも失敗に終わったどころか、完成した作品もスタジオ側に再編集されており、彼はデビュー作の失敗により意気消沈。彼もこの映画について問われることを嫌う。その後、33歳まで映画業界から身を置いた。

衝撃作「セブン」により脚光を浴びる

その後、33歳の時「セブン」で映画監督に復帰し、終始シリアスな空気に包まれた緊張感と衝撃的なラストが大きな波紋を呼び、一気にその名を轟かせた。今回の撮影でよかった点として同年代と仕事が出来たことを挙げており、フィンチャーの理想像をフィルムに表すことができた瞬間でもある。結果として米国では4週連続興行収入1位を記録する大ヒットとなり、ほぼ無名だったブラッド・ピットはフィンチャーのおかげでスターの座を確実にさせた。そしてその後は、「ファイト・クラブ」、「ソーシャル・ネットワーク」、「ゴーン・ガール」とヒット作を連発。2020年公開の「Mank/マンク」では自身二度目のアカデミー賞監督賞ノミネート。まだオスカーを掲げた経験はないが、これまでの作品をみれば、ハリウッドを代表する名監督なのは間違いない。

フィンチャーの特徴として最も有名なのは“完璧主義者”

 やはりフィンチャを語る上で欠かせないのが、“完璧主義者”という点だろう。「ソーシャル・ネットワーク」では冒頭だけで99回も撮り直しが行われ、2020年公開の「Mank/マンク」に出演したゲイリー・オールドマンは「監督、もう100回目ですよ」と苦笑いを浮かべたという。それもあってからか、30年の監督人生の中で製作した作品はわずか10本しかない。
 そんな彼の特徴は「ゾディアック」以降から顕著に表れているという古典的なカメラワーク。被写体との視点を合わせる為、“俳優が動いた分だけカメラも動く”というかなり人力な手法を徹底している。この時、被写体の動く速度と方向に1ミリも狂いを許さないのが、完璧主義と言われる所以でもあり、カットを繰り返す理由なのだ。見る人を没入させるテクニックに注目して、もう一度彼の作品を見直してはいかが⁉︎

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