まずは今年のアカデミー賞を振り返る
大波乱となった2021年アカデミー賞授賞式。以前にも「ラ・ラ・ランド」が間違えて作品賞受賞と発表されてしまったり、珍事件が起こったが、今年の事件も中々のやらかし具合。そこで何が起こってしまったのか、説明していきたいと思います!
その前に!本年度の受賞作品をチェック!
- 作品賞:「ノマドランド」
- 主演男優賞:アンソニー・ホプキンス「ファーザー 」
- 主演女優賞:フランシス・マクドマンド「ノマドランド」
- 助演男優賞:ダニエル・カルーヤ「ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア」
- 助演女優賞:ユン・ヨジョン「ミナリ」
- 監督賞:クロエ・ジャオ「ノマドランド」
- 脚本賞:エメラルド・フェネル「プロミシング・ヤング・ウーマン」
問題になったのは主演男優賞の発表!
今回の授賞式で問題になったのは、一つのオスカー発表時で、それは主演男優賞の発表です。結論、「ファーザー」で見事な演技を披露したアンソニー・ホプキンスが受賞しましたが、、、、元々の大本命は「マ・レイニーのブラックボトム」主演のチャドウィック・ボーズマンでした。なぜ、チャドウィックが大本命だったかというと、2020年8月に大腸癌で亡くなってしまったという背景があります。「ブラックパンサー」ムキムキのアベンジャーズとして一躍、大人気俳優へと登りつめましたが、本作ではかなり痩せ細ってしまっているのが、一眼で分かり、なんとも言えない気持ちになります。
勿論「マ・レイニーのブラックボトム」で素晴らしい演技を見せたのは理由の一つで,特にキリスト教を罵倒するシーンは圧巻です。しかし、
天国のチャドウィックにオスカーを!という風潮が強く、正直主演男優賞はチャドウィックで決まり!という予想が大半を占めているという状況で授賞式はスタートしたのです。
授賞式のやり方が例年とは大きく違がかった!
今回、授賞式は大きく分けて2つの点で、開催形式が異なる形になりました。一つ目はオスカーの発表順番です。例年は大トリである作品賞の発表が最後となり、締め括りという流れでしたが、なんと今回は主演男優賞がラストという異例の順番。完全にチャドウィックのことを考えた形式になり、見ている側も「あーこれは、チャドウィックのオスカーが決まったな」と悟らざるえない形になりました。そして2つ目は、主演男優賞発表前にチャドウィックのための特別ムービーが差し込まれました。すでに亡くなられた偉大な映画俳優、監督などが紹介される内容で、最後にチャドウィックが登場するのですが、、、「もうこれ、絶対とるやん!!!」と言うしかない状況になったのは確かです。。。でも実際は、アンソニーホプキンス。。。これが今回の事件の大まかな内容です。
Branford Marsalis ブラフォンドマルサリス / マ・レイニーのブラックボトム Ma Rainey’s Black Bottom オリジナルサウンドトラック (ブルー・ヴァイナル仕様 / 2枚組 / 180グラム重量盤レコード / Music On Vinyl) 【LP】
ではなぜチャドウィックではなかったのか?
これに関していれば、演技力の部分というのが結論です。確かにチャドウィックの演技力は素晴らしく、劇中では人種差別により、家族でひどい仕打ちを受けてきたことに対してキリスト教を罵倒するシーンがあり、ここは鳥肌が立つほど素晴らしい演技を披露しました。ただ、正直なところ劇中通して印象的だったかと聞かれるとそうではなくあくまで1つのシーンで、印象付けた形になりました。
それに対してアンソニー・ホプキンスは、威厳のある父親が、徐々に認知症によって壊れていく姿を演じ、劇中を通して、超リアルな認知症患者を演じ続けました。この”一部”と”全体”という点に差が出たというのが、理由であり、やはりベテランの演技は圧巻だったという一言につきます。
最後に
まずオスカーが選ばれるカラクリからお伝えしますが世界中に、いるアカデミー会員(約1万人)の投票によって決まっています。アカデミーの主催者側は、発表まで誰が選ばれるのか分からないのですが、安易な判断で、チャドウィックの受賞を煽ってしまったことが大きな問題になりました。僕は最初、「なんでチャドウィックにオスカーを渡さないんだ!」とアカデミー会員に怒りが沸きましたが、冷静に考えてみると忖度なしに選出したアカデミー会員を褒めるべきだと思います。
チャドウィックの作品はもっと見たかったという気持ちは強いですが、亡くなったこととオスカーを獲得することはまた違う話になります。そこの線引きをきちんとできた1万人の会員は、アカデミー賞の規律を守ったと言ってもいいのではないでしょうかそう考えると「ダークナイト」では、ヒース・レジャーが亡くなられた後にオスカーを受賞しましたが、あれは本当に演技力という部分で文句なしの受賞でしたね。
以上、アカデミー賞の個人的な感想です!来年はどんな作品がオスカーを獲得するのか、楽しみですね!!
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