休日は家で家がを見たい!でもそろそろ何を見たら良いのか分からなくなってきた…という方に、今回は社会派ドラマという軸でおすすめ映画を紹介します。
ドラマというと友情ドラマや偉人のドラマ、夢を追いかける若者の青春ドラマなど、色々なジャンルがあるかと思います。今回の社会派ドラマというのは、社会学的観点に基づいた映画を指しています。例えば養子縁組の是非や人種差別の在り方など…
一言でいうならば、「映画を見ることで新しい社会の仕組みを知れた」という感情を抱けるような映画を紹介したいと思うので、気になる方は是非最後までスクロールしてください!
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10位:『それでも夜は明ける』(2013)
壮絶な奴隷生活に目を背けてはいけない
■監督:スティーヴ・マックイーン
■主演:キウェテル・イジョフォー ルピタ・ニョンゴ マイケル・ファスベンダーほか
■制作国:米国
第86回アカデミー作品賞受賞作。実際に12年間奴隷生活を送った黒人ソロモン・ノーサップの伝記が原作で、1841年、奴隷制度が廃止される前の物語。ある白人に騙されたことで奴隷として買われてしまった黒人バイオリニストが、自由を求めて奔走する。奴隷の売買が行われていたという現実と悲惨な鞭打ちの刑など目を背けたくなる映像が多く、今生きている世界がどれだけ平和なのかということに考えさられる。
9位:『善き人のためのソナタ』(2006)
盗聴という政府の重大任務に翻弄された一人の男
■監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
■主演:ウルリッヒ・ミューエ マルティナ・ゲデックほか
■制作国:ドイツ
第79回アカデミー賞外国語映画賞受賞作。冷戦時代の旧・東ドイツで、ある劇作家の監視を命じられた秘密警察局員が、不条理な任務と正義の間で葛藤していく物語。盗聴という一見退屈な任務にのめりこんでしまった主人公が、次第に情を抱まい…徐々に政府に反発していく展開には手に汗握るシーンの連続。また、反逆者を炙り出す秘密組織の悪事に驚きを隠せない。
8位:『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)
強姦という米国社会問題とエンターテイメントが融合
■監督:エメラルド・フェネル
■主演:キャリー・マリガン ボー・バーナム ジェニファー・クーリッジほか
■制作国:米国
第93回アカデミー賞脚本賞受賞。夜の街を一人で歩き回り、酔ったフリをして男を騙すキャシー。謎めいた行動をとる彼女にはある過去の出来事から、大いなる復讐心を抱いていた。性差別という社会的に思い題材を風刺的に描きながらも、演出にはハートマークも飛び出してくるという、社会派とエンタメ性を融合させた革新的な一作だ。
7位:『新聞記者』(2019)
原作者である東京新聞記者の望月衣塑子が裏社会を浮き彫りに
■監督:藤井道人
■主演:シム・ウンギョン 松坂桃李 田中哲司 北村有起哉ほか
■制作国:日本
第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞。強い信念のもと働く新聞記者・吉岡と、政府の秘密組織で働く官僚の杉原の葛藤が描かれる問題作。政府にとって不都合なニュース、SNS投稿をコントロールする内閣情報調査室の存在やある官僚の投身自殺など、現実でも噂やニュースとなった内容が劇中に!日本の裏社会がリアルに浮き彫りになる、まさに社会派ドラマ的な作品だ!
6位:『存在のない子供たち』(2018)
愛情も戸籍も与えられなかった少年が、肉親を告発
■監督:ナディーン・ラバキー
■主演:ゼイン・アル・ラフィーアほか
■制作国:レバノン
中東の社会問題に切り込んだ衝撃作。親が彼の出生届を出さなかった為、戸籍の無い少年は、妹が知人の男性と無理やり結婚をさせられたことにより、家を飛び出すが…。お金の為なら平気で娘を結婚に売り出す肉親、人身売買など日本では考えられないような社会問題に胸を痛めない人はいないだろう。そして少年の「世話ができないなら産むな」という一言は、責任能力のない全ての大人に向けられている。
5位:『エリン・ブロコビッチ』(2000)
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無職のシングルマザーが大企業を訴訟するあり得ないような実話
■監督:スティーブン・ソダーバーグ
■主演:ジュリア・ロバーツ アルバート・フィニー アーロン・エッカートほか
■制作国:米国
大企業の環境汚染疑惑に、ある弁護士とシングルマザーが立ち向かう。ジュリア・ロバーツといえばこの作品!ド派手な格好と口調の悪さで周囲の目の引くも、自分を犠牲にしてまで苦しむ人々の為に行動する姿に目が潤むことは間違いなし。そしてこの事件がノンフィクションだったことに驚きを隠せない。エリン・ブロコビッチという名を知らずして、死ぬべからず!
4位:『すばらしき世界』(2006)
元受刑者に明るい未来は存在しないのか
■監督:西川美和
■主演:役所広司 仲野太賀 長澤まさみ 梶芽衣子ほか
■制作国:日本
13年間の監獄生活を終えた三上は、更生するために必死に生きることを決意するが、そこに待ち受けていたのは想像を絶する閉鎖的な世界だった。元受刑者とどのように向き合うべきかを考えさせられる社会派ドラマ。出所しても約5割が刑務所戻りになってしまうという統計は、元受刑者を受け入れない我々国民にも問題があるのではないか。ということが作品の大きなメッセージだろう。
3位:『朝が来る』(2020)
養子を育てる”親”と養子に預ける”親”
■監督:河瀨直美
■主演:永作博美 井浦新 蒔田彩珠 田中偉登ほか
■制作国:日本
特別養子縁組により男の子を迎え入れた親子と、望まない妊娠により我が子を養子に出した少女の物語。家族とは血が繋がっていることなのか?それを教えてくれるのがこの映画。物語は養子を迎え入れた家族側と子供を送り出した側の2つに分かれており、双方での社会的問題を直視することができる。劇中のセミナーのシーンでは、実際に養子縁組の方達が出演しており、リアルな空間も織り交ぜられたドキュメンタリー要素にも注目して欲しい。
2位:『リリーのすべて』(2016)
世界初の性別適合手術にまつわる伝記ドラマ
■監督:トム・フーパー
■主演:エディ・レッドメイン アリシア・ヴィキャンデル アンバー・ハードほか
■制作国:英国
世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を描いた伝記ドラマ。画家の妻に頼まれ女性モデルの代役を務めたことをきっかけに、自身の内側に潜む女性の存在を意識し始めたリリーの半生を描いた作品。前例がない性別適合手術に飛び込み、ありのままに生きることに強い意志を見せたリリーの姿に胸が詰まる。今となっては実例も増えてきた性別適合手術は、壮絶な手術、痛々しい術後の傷や感染症に立ち向かったリリーに無しでは発展できていないことを忘れないでほしい。
1位:『別離』(2012)
離婚によって全ての歯車が狂いだす
■監督:アスガー・ファルハディ
■主演:レイラ・ハタミ ペイマン・モアディ シャハブ・ホセイニ サレー・バヤトほか
■制作国:イラン
ある夫婦が、離婚前提の別居暮らしをした途端、家族の歯車が狂い出していくサスペンス要素も強い社会派ドラマ。妻が家を出て行ったことにより、認知症の夫の世話をする父と受験を控える娘は、二人で暮らすことになるが、ある一つの出来事によって…。作品のテーマは”家族”と”宗教”。両親の別居によって間に立たされた子供の心情を汲み取ろうとすると胸が痛くなる。そして宗教に従って生きていくある女性の信仰心には、日本では考えられない文化が詰まっている。
以上、社会派ドラマをテーマにしたおすすめ映画10選でした!!
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