本年度アカデミー賞脚本賞受賞!「プロミシング・ヤング・ウーマン」を語る※ネタバレあり

映画レビュー

■はじめに
超ダークなストーリーに可愛らしい演出を掛け合わせる。そんなことが可能なのかと思っていたが、この映画は見事に実現してみせた。本年度アカデミー脚本賞を受賞した話題作は、映画を進化させたといっても過言ではない。そんな本作を勝手に語りたくなったので、お暇な人は見てくださいな!


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■監督・脚本
エメラルド・フェネル

■出演
キャリー・マリガン ボー・バーナム アリソン・ブリー クランシー・ブラウンほか

この人にフィーチャー!!

これが本当に監督デビュー作なのか!?そう思わさる程のクオリティーで、映画界のニューフィーチャーを築いたエメラルド・フェネルは間違いなく、今後もその名を轟かせていくだろう。映画「リリーのすべて」やTVシリーズ「クラウン」で役者として活躍していた彼女は、幼い頃から女優か作家になることを夢見ていた。そんな彼女の特筆すべき点は脚本力といえるはず。2008年映画「Chukka」で脚本を依頼され、その後児童向けの小説を出版させるなどキャリアを築いていき、2019年「キリング・イヴ/Killing Eve」のシーズン2ではプライムタイム・エミー賞脚本賞にノミネート。本作で主演のキャリー・マリガンは、監督の脚本を読んで10分で出演を決めたそう。これまでの作家性と監督としての新たな視点が融合した見事な一作を是非堪能してほしい。

あらすじ
30歳を目前にしたキャシー(キャリー・マリガン)は、ある事件によって医大を中退し、今やカフェの店員として平凡な毎日を送っている。その一方、夜ごとバーで泥酔したフリをして、お持ち帰りオトコたちに裁きを下していた。ある日、大学時代のクラスメートで現在は小児科医となったライアン(ボー・バーナム)がカフェを訪れる。この偶然の再会こそが、キャシーに恋ごころを目覚めさせ、同時に地獄のような悪夢へと連れ戻すことになる……(HPより抜粋)

■感想・評価
レイプによる性差別をテーマにしているのにハートがいっぱい?そんな正反対な事柄を融合させた演出も飛び出す、新たなエンターテインメントが本作の「プロミシング・ヤング・ウーマン」!なんと言ってもこの映画の最大の魅力は、性差別という社会性の強い題材に対して、チャーミングな演出でアプローチしているところ。衣装やHPを見れば分かるが、一見ラブコメディーのようなデザインが施され、オープニングでは可愛らしいハートのあしらいを使った演出も飛び交う。しかしその3分後には、映画「ゴーン・ガール」で使われるような重くのしかかるサウンドと共に主人公キャシーが本性をあらわすなど、天と地のような描き方で物語が進行していくのだ。特にキャシーが酔ったフリをして男を家に招きいれたかと思えば、手を出してきた瞬間に素面に戻り制裁を加えるシーンの緊迫感はお見事!1つの映画で2つのジャンルを味わえる映画は複数あるが、“性差別とハート”の融合は誰も考えたことはないだろうし、実現できるとも思わなかっただろう。そして物語の蓋を開けてみれば、キャシーは元医学部の超エリートだが、成人後もカフェでバイトを続ける変わり者。その理由は、親友が大学の同級生にレイプされたにも関わらずもみ消しになったからだ。だがもちろん、このダークサイドな一面を単純にポップにしているわけではない。日本でも大学生による性差別事件が大ニュースになったことがあるが、劇中では性差別を目論む、大学生のリアルな姿が浮き彫りにされている。お酒を無理やり飲ませ、複数人で女性を押さえつけ、動画を撮影する。そんな残虐な手口が、今この瞬間にも使われているかもしれないということを忘れてはいけない。そしてその事実を隠そうとする教育機関は果たして何の為に設立されたのだろうか?リアルでは直視するのは難しい社会問題を伝えてくれる、ある意味、社会教育学的ムービーとも言えるし、このような事件に向き合う機会を与えられるのは映画の力の一つである。あくまでもエンターテインメントでありフィクションであるが、この作品が本当に伝えたいのは、ノンフィクションだということを忘れずに鑑賞していただければと思います。


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